成年後見制度について
- Q 1-1.成年後見制度とは?
- Q 1-2.成年後見制度はどのような人が利用するのですか?
- Q 1-3.成年後見制度にはどのような種類がありますか?
- Q 1-4.「後見」「保佐」「補助」の違いは何ですか?
- Q 1-5.後見人にはどのような人がなるのですか?
- Q 1-6.後見人が行う仕事とは?
- Q 1-7.法定後見制度を利用する手続きの流れは?
- Q 1-8.申立てをする人がいない場合は?
- Q 1-9.申立てに必要な書類は?
- Q 1-10.申立てにかかる費用は?
- Q 1-11.任意後見制度とは?
- Q 1-12.任意後見契約の3つの形
- Q 1-13.任意後見制度を利用する手続きの流れは?
Q1-1.成年後見制度とは?
- A1-1.
- 成年後見制度とは、認知症や知的障がい、精神障がいなどにより判断能力の不十分な方を保護・支援するための制度です。
ものごとの判断能力に欠けたり不足したりする方が、契約行為や財産の管理等をするときに不利益が生じることのないよう、ご本人を支援します。具体的には、ご本人に代わって契約行為や財産の管理等を行う人等を家庭裁判所が選任し、ご本人が安心して生活できるよう支えます。この制度は、平成12年4月に介護保険制度とともにスタートしました。
Q1-2.成年後見制度はどのような人が利用するのですか?
- A1-2.
- 認知症や知的障がい、精神障がいなどにより、既にものごとに対する判断能力が不十分であり、財産の管理や福祉サービスの利用契約等を自分で行うことができない方、又は自分だけで行うのに不安があり補助が必要な方が利用します。
また、今はまだ判断能力があるけれど、将来判断能力が低下したときに備えておきたいという方は、任意後見制度を利用することができます。
Q1-3.成年後見制度にはどのような種類がありますか?
- A1-3.
-
成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。
法定後見制度任意後見制度
ご本人にどの程度の支援が必要であるかを家庭裁判所が判断し、「後見」「保佐」「補助」の中から、ご本人の状態にあった支援を決定します。
後見 判断能力が常に欠け、普段の買い物なども難しい人 保佐 判断能力が著しく不十分で、重要な財産の管理(※)などが難しい人 補助 判断能力が不十分で、重要な財産の管理(※)などを一人で行うのが不安な人 (※)民法第13条第1項に定められた借金、訴訟行為、相続の承認や放棄、新築や増改築等の事項をいいます。
任意後見制度
将来、判断能力が低下したときに備えて、あらかじめご本人が支援してくれる人(任意後見人)や支援してもらう内容を契約により定めておく制度です。ご本人の判断能力が低下したとき、本人や親族などの申立により家庭裁判所で任意後見監督人が選任され、後見業務が開始されます。
Q1-4.「後見」「保佐」「補助」の違いは何ですか?
- A1-4.
-
「後見」「保佐」「補助」のどの類型にあてはまるかは家庭裁判所が判断して、ご本人を支援する後見人等が選任されます。
ご本人の支援は、それぞれ選任された後見人、保佐人、補助人が行います。後見 後見人は、ご本人に代わって契約や財産に関するすべての法律行為を行います。
また、後見人は、ご本人が行った法律行為について、日用品の買い物などの日常生活に関する行為を除いて、これを取り消すことができます。保佐 保佐人は、原則としてご本人に代わって一定の行為をすることはありません。
しかし、ご本人が必要であると判断し、家庭裁判所が決定した場合においては、保佐人がご本人に代わってその法律行為を行います。
また、重要な財産行為(※)について、ご本人が保佐人の同意を得ずに行った場合、保佐人はこれを取り消すことができます。補助 補助人は、原則としてご本人に代わって一定の行為をすることはありません。
しかし、ご本人が必要であると判断し、家庭裁判所が決定した場合においては、補助人がご本人に代わってその法律行為を行います。
また、重要な財産行為(※)の一部について、ご本人が必要と判断し、家庭裁判所が決定した場合においては、ご本人が補助人の同意を得ずに行った場合、補助人はこれを取り消すことができます。(※)「重要な財産行為」とは、民法第13条第1項に定められた以下に示す行為のことをいいます。
①元本の領収または利用、②金銭の借り入れや保証、③不動産または重要な動産の売買、④訴訟行為、⑤贈与・和解または仲裁契約、⑥相続の承認もしくは放棄または遺産分割、⑦贈与もしくは遺贈の拒否、または負担付きの贈与もしくは遺贈の受諾、⑧新築・改築・増築または大修繕、⑨建物については3年、土地については5年を超える期間の賃貸借
Q1-5.後見人にはどのような人がなるのですか?
- A1-5.
- 後見人等に選ばれるのは、ご本人の配偶者・親・兄弟姉妹等の親族や、弁護士・司法書士・社会福祉士等の専門職等です。
家庭裁判所がご本人にとって誰が最善かを考え、後見人等を選任します。
Q1-6.後見人が行う仕事とは?
- A1-6.
- 後見人は、ご本人に代わって「財産管理」をしたり、ご本人の「身上監護」を行います。
具体的には、ご本人の意思を尊重し、また、ご本人の状態や生活状況に配慮しながら、ご本人の預貯金や不動産を管理し、必要な介護サービスの利用手続きや施設への入所契約等を行うことにより、ご本人を保護・支援します。
後見人の仕事は、ご本人の財産管理や契約等の法律行為に関することに限られているため、日常的な介護や食事のお世話等は、一般的に後見人の仕事でありません。
また、後見人になると、その仕事について家庭裁判所に報告し、家庭裁判所の指示を受けることになります。
Q1-7.法定後見制度を利用する手続きの流れは?
- A1-7.
-
法定後見制度の利用手続きを簡単にまとめると、次のような流れになります。
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- 申立ての準備
- 申立書やご本人の戸籍謄本等、申立てに必要な書類を揃えます。
※申立てに必要な様式等は、「後見等開始申立書セット」として徳島家庭裁判所に設置されています。(徳島家庭裁判所のホームページからダウンロードできます。)
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- 家庭裁判所 成年後見等開始の申立て
- ご本人や配偶者・親・兄弟姉妹等の四親等内の親族等が、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所に「後見等開始の申立て」を行います
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- 調査・審問
- 家庭裁判所の調査官が、ご本人の状況の調査、関係者等への事情の聴取、後見人等の候補者の適正の調査などを行います。
※後見・保佐の場合は、原則としてご本人の判断能力についての鑑定が行われます。
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- 審判(後見人等選任)
- 家庭裁判所から、申立てについての判断が出されます。
※申立てが認められれば、後見人等が選任されます。
※必要に応じて、後見監督人が選任されます。
※申立てから審判が確定するまでの期間は、多くの場合4ヶ月以内です。
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- 後見開始
- 後見人等が、家庭裁判所で審判された内容に基づき、ご本人の支援を行います。
-
Q1-8.申立てをする人がいない場合は?
- A1-8.
- 通常、「後見等開始の申立て」は、ご本人や配偶者・親・兄弟姉妹等の四親等内の親族等が、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。
しかし、ご本人に身寄りがないなど、申立てを行う人がいない場合は、市町村長が申立てを行います。
Q1-9.申立てに必要な書類は?
- A1-9.
-
「後見等開始の申立て」を行うためには、以下のような書類が必要です。(カッコ内は様式等の入手先)
申立てを行う際には、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ行き、『後見等開始申立書セット』を入手してください。(各家庭裁判所HPからダウンロードできることが多いです。)- 申立書(家庭裁判所)
- 診断書(家庭裁判所)
- 本人の戸籍謄本、住民票(本籍や住民登録のある市町村役場)
- 本人が登記されていないことの証明書(法務局)
- 本人に関する照会書(家庭裁判所)
- 本人に関する資料〈健康状態や財産に関するもの〉
- 候補者の住民票(住民登録のある市町村役場)
- 候補者に関する照会書(家庭裁判所)
※詳しくは家庭裁判所にお問い合わせください。お問合せ先 ■徳島家庭裁判所
〒770-8528
徳島県徳島市徳島町1-5-1
TEL:088-603-0141
Q1-10.申立てにかかる費用は?
- A1-10.
- 申立てに必要な費用は、以下のとおりです。(令和4年4月1日現在)
- 申立て手数料
800円(収入印紙)※保佐人に代理権を付与する申立てを行う場合、補助人に同意権や代理権を付与する申立てを行う場合は、申立て毎に更に800円が必要です。 - 登記手数料
2,600円(収入印紙) - 郵便切手
3,000円 ※保佐・補助の場合は、5,000円 - 鑑定料
5~10万円程度
- 上記費用は、変更される場合があります。
- 詳しくは、家庭裁判所にお問い合わせください。
- 申立て手数料
Q1-11.任意後見制度とは?
- A1-11.
- 任意後見制度とは、ご本人に十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が低下したときに備えて、あらかじめご本人が支援してくれる人(任意後見人)や支援してもらう内容を契約により定めておく制度です。
任意後見契約の効力が生じるのは、ご本人の判断能力が低下したときに、ご本人や配偶者・親や兄弟姉妹等の四親等内の親族および任意後見受任者が、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して「任意後見監督人選任の申立て」を行い、任意後見監督人が選任されたときからです。
任意後見人は、契約で定められた支援を開始します。
Q1-12.任意後見契約の3つの形
- A1-12.
-
任意後見契約は、公正証書によって締結しますが、任意後見契約には次の3つの利用形態があります。
1.将来型 将来型の契約は、契約を締結する現時点では自分の判断能力には問題がないものの、将来判断能力が低下したときのことを想定して、判断能力が低下した時点ではじめて任意後見人による保護を受けようとするもので、本来の任意後見契約の形です。 2.移行型 移行型の契約は、現時点では自分の判断能力には問題がないものの、身体的な機能の衰えや病気や障がい等を抱えているので日常の財産管理時事務等に支障があるため、契約締結時から受任者に財産管理等の事務を委託し、将来的に自己の判断能力が低下した後は、公的監督の下で引き続き受任者に後見人として幅広く事務処理を行ってもらうものです。 3.即効型 即効型の契約は、既に判断能力の衰えがみられ、軽度の認知症・知的障がい・精神障がい等の状況にあって、補助や保佐の対象となりうる方のものです。このような方であっても、契約締結時に意思(判断)能力があれば、自ら選んだ者との間で任意後見契約を締結することができるとされています。そして、この場合は、契約後直ちに任意後見監督人の選任をしてもらって、すみやかに任意後見人の保護を受けることができるのです。 詳しくは、以下へお問い合わせください。
お問合せ先 ■徳島公証役場
〒770-0841
徳島市八百屋町3丁目15番地
サンコーポ徳島ビル7階
TEL:088-625-6575
月曜日~金曜日(AM8:30~PM5:00)
土、日、祝祭日、年末年始(12月29日~1月3日)は業務を行っていません。
Q1-13.任意後見制度を利用する手続きの流れは?
- A1-13.
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任意後見制度の利用手続きを簡単にまとめると、次のような流れになります。
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- 支援内容の決定
- ご本人が、自分を支援してくれる人(任意後見人)と、支援してもらう内容を決定します。
内容は、ご本人と任意後見受任者との話し合いによって、法律の範囲内で自由に決めることができます。
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- 公証役場 契約書の作成
- ご本人と任意後見受任者とで公証役場へ行き、公正証書で正式に任意後見契約を締結します。
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- 家庭裁判所 任意後見監督人選任の申立て
- ご本人の判断能力が低下したときに、ご本人や配偶者・親・兄弟姉妹等の四親等内の親族、任意後見受任者が、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して、「任意後見監督人選任の申立て」を行います。
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- 審判(任意後見監督人の選任)
- 家庭裁判所が申立て内容を確認し、任意後見監督人を選任します。
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- 任意後見契約の発効
- 任意後見監督人が選任されたときから任意後見契約の効力が生じ、任意後見人は契約で定められた支援を開始します。
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